新古美術 朝比奈

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Collections作品紹介

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古今和歌集巻二 断簡 右衛門切
poem fragments「Emon-gire」
(Kokin Wakashu Vol.2)

作家名 伝 寂蓮
Jyakuren
手法 楮紙(ちょし)・墨
寸法 本紙20.1×14.4㎝
総丈126.5×37.5㎝
備考 ・読み
「春のうたとてよめる 素性」
「思ふどち春の山辺に打ち群れてそことも言はぬ旅寝してしが」
(古今和歌集 巻二 春歌下126)
・意訳
気のあった者同士が春の山辺に出かけて、何をするともなく、のんびりと旅寝でもしたいものだなぁ。
「又はあはれといふことをかれひにつつみもて」

・「右衛門切」について
元々は綴葉装の冊子本であり、『古筆名葉集』に「木下右衛門ヨリ出ル」と記録が残る。
木下右衛門は、豊後国日出城主・木下右衛門大夫延俊(1577~1642)のこと。 豊臣秀吉の正室おね(北政所、のちの高台院)の甥で、木下肥後守家定の三男。
紙面の薄墨の界(枠罫)は書写の統一美をはかるための工夫で、平安時代最末期の頃の写本にしばしば見られる形態である。
製作年 鎌倉時代・12世紀
状態 折れ、表具虫食い、シミがございます。
付属品 時代箱
略歴 【寂蓮(1139~1202)】
平安~鎌倉時代の歌人。俗名は藤原定長。
父は醍醐寺の阿闍梨俊海。 父の出家後、藤原俊成の養子となったが、のち辞して出家。
西行に倣い諸国行脚をするとともに歌道に精進した。
1201年(建仁元年)和歌所寄人となり、『新古今和歌集』の撰者となる。書家としても名があり、江戸時代に古筆として愛好された。
【素性法師(?~910頃)】
平安時代前期から中期にかけての歌人・僧侶。
桓武天皇の曾孫。遍昭(良岑宗貞)の子。 三十六歌仙の一人。

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